新聞社の姿勢の違いが一目瞭然。全国紙、沖縄県紙の一面を比べてみよう! [沖縄あれこれ]
久々のメディア比較シリーズでございます。ん?シリーズじゃないか(^_^;)
今回は安保法案衆院特別委員会で可決のニュースを伝える全国紙、および沖縄県紙の一面をさらっと比べてみます。
画像は、毎朝見ている大阪・読売テレビの朝生ワイドす・またん!から拝借。ニュースの各コーナーでは、昨年太平洋で鯨にぶつかって死にかけた辛坊治郎さんが、特に各新聞の伝え方の違いといった部分に焦点を当てて解説してくれます。
なお、沖縄で関西のテレビが見られるのは、神戸の知り合いのお宅にテレビを配信する機械、slingboxを置かせていただいているから。いつもありがとうございます。m(__)m
さて本題へ。
まずは、安保法案に賛成の立場をとる読売新聞と産経新聞。
両紙ともに「強行採決」の文字はありません。特に読売新聞は煽るような見出しもなく、淡々と伝えています。読売新聞よりも右の産経新聞は、「厳しい国際情勢の中、支持率低下覚悟で」と首相の強い意志を強調。実に産経らしい紙面です。
これらとは真逆なのが、安保法案に反対の立場をとる朝日新聞と毎日新聞。
朝日は意外とおとなしい一面ですが、「強行採決」の文字もあり、国会前のデモの写真も掲載されています。
東京だと朝日よりも左寄りな東京新聞もありますけど、東京新聞がない関西では、リベラル層の読者を取り込む為なのか、最近は毎日新聞が朝日新聞よりもさらに左に舵をとっているような印象。非常に大きな見出しですが、朝日と同様「強行採決」の文字は控えめです。
朝日新聞、毎日新聞よりもさらに左寄りなのが、沖縄の2つの県紙、琉球新報と沖縄タイムス。(沖縄の新聞の一面は各社のHPに掲載の小さな画面から拝借させていただきました。)
朝日、毎日でも控えめだった「強行」の文字は、沖縄の新聞では両紙ともに白抜きの大きな見出しで躍っています。
琉球新報は、「国会前、10万人抗議」の見出しと写真も。これ、主催者発表では10万人だけど、実際には7,000人ほどだそうです。まあ、辺野古反対の集会でも主催者発表の数字だけを大きく伝えている新聞なのでいつものことですけどね。
沖縄タイムスも同様の紙面作り。
那覇市内では号外も配られました。
全国紙と比べてみると、琉球新報、沖縄タイムスの左寄りの報道姿勢が突出しているのがよくわかる今朝の紙面ですね。
日本で唯一地上戦の戦場となった沖縄なので、戦争に関することには敏感なのはよくわかります。新聞、テレビがリベラルな姿勢なのも理解できますし、それ自体は全く問題ないと思います。ある意味県民の声を代弁していると言えるでしょう。
しかし、今回に限らず、必要以上にセンセーショナルな見出しが煽る紙面構成や、一方的な声だけをことさら大きく取り上げたり、自社に都合の良いニュースしか記事として載せない報道姿勢、情報操作が目立つのも事実。数年前の石垣市長選では、わざわざ選挙の告知日に合わせて保守陣営にとって不利な報道を行って問題となったこともありました。(詳しくはこちらを)
昨夜の系列テレビ局のニュースを見ても、市民へのインタビューは安保法案反対の意見しか取り上げていませんでした。尖閣問題にからめて安保法案に理解を示すような意見もあるとは思うんですが、そういう意見のインタビューは放送されません。(唯一NHKでは少し取り上げていたようです。また、7/16のOTV「みんなのニュースおきCORE」では、珍しく安保法案賛成の石垣島の漁師さんの声を紹介していました。滅多にないことですが。)
新聞もテレビも、リベラルな立場をとるのは別にかまわないのですが、それが突出してしまうと県民をミスリードしてしまいます。特に、内地とは違って2つの県紙が寡占状態の沖縄ではそのリスクは内地よりも高いでしょう。
今の沖縄のメディアに欠けているのは、様々なニュースを公平に客観的に取り上げ、県民に対して偏らない判断材料を提供するという姿勢。それが新聞の使命でもあると思うのですが、そういうふうになっていないのが現在の沖縄のメディア。こういう姿勢が続く限り偏向と言われても仕方ありません。
百田氏のように沖縄の新聞社は潰れればいいとは思いませんが、バランスをとるためにも、2つの県紙とは異なる姿勢の新聞、テレビ局が沖縄に生まれてくれることを切に願います。読売新聞グループのナベツネ(渡邉恒雄)さん!なんとかお願いしますよ!(笑)せめて県内で印刷して配達できる体制だけでも。
それにしても、今回の安保法案、反対派や野党、一部のメディアは「戦争法案」だの「徴兵制」だのと不安を煽り、安保法案賛成=好戦論者、安保法案反対=平和主義者 と決めつけようとする姿勢には違和感を覚えますね。安保法案=危険と印象付けようとしてるのでしょうけど。戦争が好きな人なんていませんよー。戦争を起こさないためにはどうすればいいのかという考え方が違うだけ。
国民の理解がまだ深まっていないというのはその通りだと思いますが、やたら不安を煽り危険性を強調するだけのテレビ(特にNEWS23や報道ステーション)の伝え方にも問題あると思います。もっと冷静な議論が必要ですね。
メディア比較シリーズ、前回の記事はこちら。興味のある方だけお読みください。
集団的自衛権容認、各メディア比較。朝日・毎日の突出ぶりと琉球新報の社説にびっくり!
日本で唯一地上戦の戦場となった沖縄。
申し訳ありませんが、これは、間違いです。
「沖縄地上戦 国内唯一→国内最大 政府が閣議決定 2010年5月22日」
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-162452-storytopic-3.html
>政府は21日、「沖縄戦」が先の大戦で国内「唯一の地上戦」とする表現に関し、「沖縄本島及びその周辺のみでそのような地上戦が行われたという認識は必ずしも正確ではない」とする答弁書を閣議決定した。
>その上で「沖縄戦」の表現を「国内最大の地上戦」とした。
>前原誠司沖縄担当相が山岡達丸氏(民主)の「日本国内では樺太などでも地上戦があった」との指摘を受け、「沖縄戦が国内唯一の地上戦であるという表現は必ずしも正確ではない」、「訂正した方がいい」と答弁した
>樺太ではソ連軍による避難船への攻撃や陸上での無差別攻撃で、計約3700人の民間人が死亡したとされる。
でも、間違えられるのも無理はないと思います。
琉球新報が社説で未だ「住民を巻き込んだ国内唯一の地上戦」と言う言葉使っているのですから。
「<社説>沖縄戦訴訟棄却 国民全てに平等な補償を 2016年3月17日 06:02」
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-240222.html
>沖縄戦の特徴は「住民を巻き込んだ国内唯一の地上戦」という言葉に示される。
by あっ (2016-04-11 12:23)